コレクション 私たちについて コレクションアーカイブ お問い合わせ プライバシーポリシー

1993 Merredes-Benz 500E

ASK

​「最善か、無か」というメルセデス・ベンツの哲学が最も色濃く反映されていた1990年代初頭、その頂点に君臨し、今なお「伝説」として語り継がれる名車がございます。

それが今回入庫いたしました、1993年式のメルセデス・ベンツ500Eです。W124型の端正なフォルムを最も美しく引き立てるブリリアントシルバーのボディを纏ったこの個体は、当時のエンスージアストを熱狂させた、ポルシェとメルセデスの魂が融合した「羊の皮を被った狼」そのものです。

​500Eが伝説と呼ばれる最大の理由は、その特異な出自にあります。ミディアムクラス(W124)のボディに、最高級ロードスター「500SL」から移植された強力な5.0L V8エンジンを搭載するという計画は、当時のメルセデスの生産ラインには収まらず、その製造は同じシュトゥットガルトに本拠を置くポルシェに委託されました。ポルシェのツッフェンハウゼン工場にて、熟練の職人たちによって一台一台ハンドメイドで組み立てられたという事実は、この車を単なる高性能セダン以上の存在へと昇華させています。

​ひと目でそれと分かる、左右に張り出したブリスターフェンダーは、強力なV8ユニットが発生する最高出力330ps、最大トルク49.0kg・mというパワーを、路面に確実に伝えるために設けられた専用の造形です。このワイド&ローな構えこそが500Eのアイコンであり、街中ではエレガントなセダンとして振る舞いながらも、アクセルを深く踏み込めば野太いV8サウンドと共に、当時のスポーツカーを凌駕する怒涛の加速を見せるのです。

​本車両は1993年式で、外観が後期仕様(E500ルック)に変更される前の、前期型最終の非常に価値ある佇まいを保っています。そして何より、リアガラスに静かに貼られた「YANASE」のステッカーが、日本国内で正規輸入され、大切に扱われてきた歴史を無言で物語っています。W124特有の、金庫を閉めるような重厚なドアの開閉音、そして高速域で見せる「矢のように突き進む」直進安定性は、現代の車では決して味わえない「過剰なまでの剛性感」に満ちており、これぞメルセデスの黄金期であったと確信させるでしょう。

​「4ドアのポルシェ」と称されたこの500Eは、四半世紀以上の時を経てなお、そのオーラを失っていません。機関系、内外装ともに良いコンディションを保ったこのブリリアントシルバーの個体は、ポルシェとメルセデスが本気で手を組んだ、あの時代の情熱を体現しています。

「一生に一度は500Eを」とお考えの方へ。その夢を叶えるにふさわしい、至高の一台です。ぜひその手で、伝説のステアリングを握ってください。